| レプリカエデン ![]() #03:フィルムノワールの叙事詩 「今晩は、薄汚い人間共に我等を冒涜する存在の十二神将、そして―――――――私の愛しい、姫」 薄い口唇から囁かれた声は、緩やかに夜色へ融け入る低めの甘い声色だった。 朧に浮かび上がった人影から現れた姿は、の其れと酷く似通っているが明らかに雰囲気が異なる。 風に翻るは闇の様に深い漆黒の外套。さらりと流れる銀糸は勾陳の其れよりも聊か短く、不揃いも良いところだ。 だが、月光に照らし出される其の容姿、線は細く端麗と云うよりはもはや麗容。高淤の神ももそうだが、神と云うのは揃いも揃って美麗なのだろうか。純粋に昌浩がそう思う。 「―――――――夜叉、私の友人を愚弄すると口が開けずとも酒が飲める身体にするぞ」 感情が見えない淡々とした言葉を吐き出したは、無表情の侭長剣を真直ぐに夜叉、と呼んだ男に向ける。 顔も無表情だから勿論笑っていないが、何より眼が、笑っていない。本気だ。 だが怯む素振りさえ見せない夜叉は、ゆっくりとから視線を引き剥がし、此方を仰ぎ見た。 に対峙した時とはまた違う恐怖に張付いた睫毛を二度瞬かせれば、昌浩は今度は確実に夜叉と視線が合う。 男の湛える表彩が、酷く穏やかなものだと気づいたのはその時だ。 まるで全てを愛しみ許し、ともすれば微笑を浮かべているのだと錯覚させられてしまう位、声調も面差しも全てが柔らかだった。 「私の機嫌を損ねると……手始めに、一番弱そうなそこの子どもを殺してしまうが構わないのか?」 流れるような銀髪の奥、真っ直ぐに己を見下ろしてくる漆黒の双眸に、昌浩は吸い込まれそうな感覚に捕らわれる。 眼を、見てはいけない。身体が恐怖に竦む。だが声は出せれども、指先一本動かす事が出来ない。 此れが、神の霊力なのだろうか。殺される。先ず間違い無く、殺されるんだ。 本日何度目になろうかと云う死の覚悟を予感させる凄絶な気配に、抗う術など無く唯、気圧されていた。 「遣れるものなら遣ってみろ、其の後に私がお前とお前の一族を地獄に叩き落してやる」 理性が1つ切れたは、床冷えする金の瞳で、夜叉を睨む。 黄金色の瞳が憎悪と殺意の色に変わっていく。後一歩でも近付けば間違い無く長剣を手にしたに襲撃されそうな勢いだと云うのに、平然と立っている夜叉から昌浩は視線を剥せずに居ると、夜叉は肩をすくめ苦笑いをした。 「姫、怒ると折角の麗姿が台無しだ」 「黙れ、先ず煩い其の咽喉潰してやろうか」 「やれやれ、今日もご機嫌斜めだね」 笑いを咽喉で殺す男は、無造作に切り殴られた様な鋭い髪先が色を塗り替えた彼岸花を散らした様で、まるで葬送花に使われる漆黒の花弁のようだと。純粋に昌浩は思った。 風に嬲られ降り落ちる無数の花弁に身を埋める様な異様な光景で立つ夜叉を、金の炯眼は真直ぐに見詰めている。 一食触発、夜叉が動けば空気の合間を縫って一秒にも満たない微かな時間に間合いを詰めて、の剣が振り下ろされる様な気がした。 瞬きをしたら全てを見逃して死体と成り果てそうで、昌浩は死んだような静寂の中で、唯視線を黒い外套を纏った夜叉へと投げる。 「何をしに来た、夜叉。よもや、平安の世を統べる清明から先ず消そう等と世迷い言抜かしに来たのか」 「ご冗談を、貴女が居ると判っている場所で狼煙をあげようだなんて愚かな事は思わない。」 「為らば何をしに来た、――――――――"夜叉王"」 空気に良く溶け透く玲瓏なの声が、静寂に木霊する。 漆黒の双眸が刹那の間だけ、大きく見開いたのは、多分昌浩の眼の錯覚ではない。 もうじき、桜も咲こうかと云う時分。 夜の帳が降り切ったとは言え、冬の様に凍て付く寒さは感じられず、寧ろ狩衣が無くとも心地良い位だった筈だ。 だが今は如何だ。皮膚に触れる、刺す様な冷えた空気。 其れは季節の所為ではない。凄絶な神気を滾らせる夜叉の身体から染み出した恐ろしくも禍々しい冷たい気配。 其の冷気を呼吸し、昌浩はどくどくどくと脈打つ自身の心臓の音を聞きながら声を殺し、凍ったように立ち尽くすしかなかった。 そんな世界の中で、屈託無く笑う無邪気な子どもの様な嬉々に満ちた声が響く。 「――――――ひとつ、面白い提案をしに来たのですよ」 風に髪は靡くと云うに、まるで其処だけ別物の様に全く微動だにしなかった黒衣の裾が、突如ふわりと揺れた。 風向きが変わった訳ではない。寧ろ其の逆、夜叉が風を起こしたのだ。 音も無く風も無く、空気が透る音すら聞こえなかった刹那の間に、夜叉は幻が揺らいだかのように素早く身体を翻して剣を庭に向けていたの眼前に降り立った。 の眼前、青龍ともっくんの脇、勾陳と晴明と昌浩と彰子の後ろだ。 「…………………………………………………………!!!」 勝手に身体が硬直した。昌浩どころか、彰子も晴明も例外ではない。 ――――――殺される。 そんな野暮な事を考える隙さえ与えられなかった極僅かな時間の間に昌浩の後ろに踊り立った夜叉の目的は、自分達では無いらしい。昌浩は、背後の、冷たい気配を感じながら痛感した。 もし本当に其の気があるなら、遠の昔に自分は果てて居た事だろう。 叫び声をあげる暇どころか、自分が死んだと感じる暇さえも無い刹那の間に。 だから今、凍る様な空気の中でそれでも息をしながら"生きて"居るのはそう云うことだ。 自分の直ぐ後ろに存在している、張り詰めたような冷たい冷気を放つ存在を如実に感じながら、昌浩はそう思案する。 「そんなにも私に切られたいのか?何時からマゾヒストに成り下がった、夜叉」 「まさか、心配しなくても私は今でもサディストだ。唯この位置が"都合が良い"だけだ…君と向き合って会話が出来るからね」 そんな昌浩が勿論夜叉の範疇に入っている筈など無く、見下ろす黒眸は愛しい者を見詰めるようにを視界に居れていた。 夜叉が動いた一秒にも満たぬ僅かな時間に逆さに返して方向転換させた両刃剣は、相変わらず秀麗な夜叉の米神僅か数ミリ手前に据えられている。 だが動じる事無く、何処までも深い漆黒が、厳しく眇められた黄金の奥を探る様に向けられている。 暫くは此の侭両者黙した侭かと思った矢先、ゆっくりと。 黙殺していたが、床冷えする声で厳かに口を開いた。 「ならば早く話せ、面白い提案、が下らなかったら、米神焼き切る」 「良いね、君になら殺されても本望だよ、私は。でも生憎、未だ天命は尽きないみたいで、ね」 「余計な話は要らない、面白い提案とは何だ、夜叉」 鋭利な黄金の双眸に射られ、夜叉は首を竦めて嘆息した。 「せっかちだね、君も。 父上にはあぁ云われたりもしたが、私は基本的に君と同じで面倒な事は嫌いなんだ、此れでも。況して、人間一掃なんて面倒なこと、頼まれても遣りたくない。彼等は勝手に直ぐ死ぬ、為らば勝手に死なせておけば良い。 でもね、君も知っての通り、あの堅物だ。素直に受け入れる訳も無い。 だから【人間を殺せ】と言った父に、在る物を代りに差し出した、そしたら甚く機嫌を持ち上げてしまってね…今直ぐにでも君を連れて祝言をあげろと小舅の様に騒ぎ出したんだ。ねぇ、私が何を渡したか、判るかい?」 にっこりと。 悪意など欠片も無い様な殊更綺麗な顔を作り上げて、夜叉が微笑った。 違えようもなく、その微笑が孕んでいたのは怖気。 明確な意図をもって、曖昧に笑みへと綯い交ぜて伝えられた怖気は恐ろしく凍った明晰な世界の中で弾け飛んだように、夜叉の意図を的確にに伝えていた。 「………夜叉、私は昔から【面倒ごと】も嫌いだが、同じ様に【回りくどい】ことも嫌いだ。」 「知ってるよ。」 「………そして も嫌いだ。」 「其れも知ってる。だから敢えて君が欲しいんだよ。でも簡単には貰えそうも無いから―――――――」 「当たり前だ、第一……お前は私を安売り大売り出し中の骨董品か何かと勘違いして無いか?」 身の裡に籠もる不明瞭な発声で返答を返す事すら面倒だとあからさまに態度で示すが、胡乱気に答えるが、夜叉はの返答など期待していなのか答えを返さずに自分の話を完結させる。 「だから――――――――――……少々卑怯臭いけど人質を取らせて貰った、此処まで言えば判る?」 夜叉はいとおしむ様に睨み上げ視線を落し、一拍の間をおいて、言葉を続けた。 「そう、君達一族が何よりも大切にし、何に代えても護らんとする―――――――修羅刀、だよ」 空気が、三度に渡って変わった。「貴様…っ」、と白く凝った吐息が、怒りに打ち震えるように放たれる。 は夜叉の米神に据えた両刃剣を振り下ろす事も突き刺す事も無く、射殺しでもしそうな程の憤慨を貼り付けて睨みあげる。 其れでも夜叉は微笑って居た。先程までなら未だ耐えられた微笑み。 だが、今となってはの神経を逆撫でするだけでしかない、表面上だけの緊張感の歪んだ笑み。 「冗談も大概にしないと真面目に殺すぞ」 言葉が出るだけ、マシだった。が言葉を吐けるだけの思考回路が働いているから。 即座にが太刀を振るわなかっただけ、少しは進歩したのだと思ったのは、昌浩と彰子以外の全員だ。 今この場でが自我を喪失して両刃剣を振るえば、安穏とした安倍家当主・晴明の自室は一瞬にして屠殺場と化していただろう。 天一と天后が必死に結界を張って被害を食い止めていたかも知れぬが、所詮は時間稼ぎにも為らない。 其れは『過去でも実証済み』だ。暴走した神を止めるのは、至難の業だ。其れが例え同じ座に在る神とて、同じ。 眼の前に広がり掛けた恐るべき光景が現実のモノに為らない事を具に祈りながら、と夜叉以外の者は最早口を噤んで事態を見守るしかなかった。 「残念ながら本気だ、修羅刀を返して欲しくば、私のところへおいで」 夜闇に溶け込む様に囁く漆黒の奥に、在るべく狂気は無い。此れが、当たり前の世界で生きているのが、神なのだ。 何処までも真摯に、夜叉が放つその希みは響いた。 阿修羅の御子、唯お前が欲しいのだと。其れ以外は何も要らない、と。 だが其れが叶わぬのならば、修羅刀を打ち滅ぼし、が護ろうと誓った同胞を含む人間たちを本気でこの世界の塵とする、と。 其れは酷く単純で、酷く残酷な希だった。 「誰が……ッ、」 「結論は直ぐに要らないよ、私も天界で遣らなければ為らない事があるからね」 「………この期に及んで、何をする気だ、自己中男」 怒りを通り越し殺意に似た眼差しを向ける黄金の双眸、夜叉は一瞬の逡巡無く吐き棄てる。 けれどい竦む素振りなど微塵も見せない夜叉は、寧ろ快活に言葉を返す。 「【鞘探し】。素晴らしい刀には其れ相応の鞘が必要だからね」 此れが如何云う意味か、知らないなんて言わせないよ、と小奇麗に微笑って見せた夜叉は、静かな物腰で膝を折って。 黒衣の裾が畳を擦り、拍を置かない侭昌浩の隣に座っていた彰子を無造作に抱いて、庭へと舞い戻った。 え―――――――――――、………今、一体何が? 皆息を呑み、呆然と茫漠とした世界の中に身を置いていた。 夜叉が彰子を攫って舞い上がった所要時間、僅か、0.050秒。 人が息をする間隔よりも数倍早い身のこなしに、以外の皆は一瞬以上何が起きたのかを理解するのに苦しんだ。 まるで、影がゆったりと移動した様に動いた夜叉は、くつくつと不敵な笑みさえ貼り付けて茫然自失となった一行を見詰める。 そうして、見た目だけは優しすぎる微笑みをに投げた。 の心にもう、怒りの感情は無かった。 音も立てぬ侭夜叉から視線を剥さずすくっと立ち上がり、庭の小石の上まで一気に舞い上がると、月の光りに照らし出されて細い影が棚引いた。 ざりっ、と 普段音を立てぬ存在が、薄い布だけを召した足の下で鳴らした砂の音が、無機質な空間に馬鹿みたいに響く。 再び闇を見上げた金瞳に、もはや儚い彩は無かった。最初に昌浩がに感じた気配其の侭、"死神"だ。 強く、濃密で壊れ掛かった濃い死の気配を纏いながら、は真直ぐに夜叉へ向けて両刃剣を向ける。 今直ぐにでも振り下ろしたいのに出来ないのは、夜叉が自分の身を護るべく抱えたであろう彰子の被さる白を瞬く間に融かし続ける、脈熱の燻る首筋へと短刀を吐き付けていたからだ。 口惜しさで、ぎり、と奥歯が鳴る。怒りが灼熱しそうだ。 今直ぐにでも手を添えた刀を振り下ろして彰子を奪還したい。だが、相手はあの夜叉王だ。 其処等の低俗な神ならば、の音速に近いスピードを以ってすれば彰子の身体に傷を付ける事無く息の根を止めることが出来ただろう。其処まで行かずとも、奪還くらいは造作無い筈だ。 だが、今此処で闇雲に動けば、間違い無く夜叉は彰子の細い首に短刀を突き刺すだろう。其れも、何の躊躇も無く。 夜叉とは前夜叉王に似て、そう云う男だ。 だからは、口惜しさと憤怒から来る感情の乱れを、奥歯を噛み締める事で必死に耐えるしかなかった。 「取引、しようか?」 何処までも深い漆黒の双眸が、厳しさと怒りを浮かべた黄金の奥を探りながら、にっこりと微笑む。 いっそ、の様に怒りを貼り付けるか、残虐な嘲笑でも浮かべれば良いものを、夜叉の作り上げる笑顔は本当に邪気を感じさせず、声調も面差しも全てが柔らかだ。 其れが無性に、の神経を逆撫でる。 「――――――――、」 『誰がするか、さっさと彰子を返せ』そう返そうとして、口を僅か開いた。 しかし、此処で言葉を返すのは得策ではない、言うが侭為されるが侭に身を委ねた方が良い事に気づき、結局は何も言わずにただ、夜叉を凍てついた瞳で見つめる。 咽喉が渇いているのは水分を摂取していない所為ではない。怒りで咽喉の奥が焼き切れそうに乾いていた。 終始無言貫くに苛立つ風でも無く、夜叉は言葉を続ける。 「良く、考えて見なさい。君が私の元へ来なければ、彼女は修羅刀の『鞘』に為る。尤も、所詮は人間の娘、一時的な『鞘』でしかないだろうけど…君との取引までには充分だ。君が私の処へ"帰って来る"なら、私は修羅刀とこの凄まじい『霊力』を持つ子どもを返そう。だが君が拒絶するなら――――――――この子どもが解放されるのは死んだ時だけだ」 奇特だとしか思えないその申し出に、金眼が微かに瞠られ。 息を呑む、その瞬間に自我を飛ばしてしまわぬ様に下唇を強く犬歯で戒め、ぷつりと切れた皮膚から滲む血液を嚥下する音を籠もらせる。 固唾を飲んで見守る中、ゆっくりと、の両刃剣が下ろされた。 敗者が勝利者となるべく者に白旗を振り上げた、瞬間だった。 「勿論、直ぐに結論を出せとは言わない、君にしたら一生モノだからね。十六夜の晩、もう一度答えを聞きに来るよ。其れまでは大切な客人としてこの子どもを預かっておくから、心配しないで?」 まぁ、心配するなって云うのが無理だろうけどね?と、彰子の額の直ぐ上で、夜叉の微かな笑息が融ける。 がこの理を違える筈等無いのだ。出来る筈等無い、夜叉は其れを知っている、だから敢えて挑発するような言葉を投げ視線を投げ遣るのだ。 それはまるで、肉食獣が獲物に『自分から喰われに来い』と言っている様なものだった。 「彰子――――――済まない、必ず迎えに行く」 低い、声音だと思った。 彰子は事の状況を理解しながらも置かれている状況に血の気が引き、今にも意識が途切れそうな凍った気配を背後に感じて居たが、鼓膜を弾かれて面を上げる。 其処に在ったのは、先程までと変わらぬの凄絶な美貌。 彰子を真っ直ぐに見据える黄金の双眸は、常と変わらぬものの筈だった。瞳の色も、射る様な眼差しも、向けられる無感情に近い麗容な相貌、も。 だが、彰子は気付いてしまった。 何か、なにかが先程までのと決定的に違っていた。一体何が違う。 置かれている状況はそんな陳腐な事を連綿と考えられるようなものではなかったけれど、其れでも考えなきゃ、と彰子は思った。 そして唐突に、其れ、が何かに気が付いた。 勿論、同時に手探る傍らに、推測もした。そうして行き着いた答えが、一つ。 間違っては居ないだろう、自分ならばきっと同じ結論に辿り着く筈だから。 「、昌浩、私は大丈夫だから心配しないで」 あどけなさを残した面立ちの中、黒く長い睫毛が、ふ、と震えた。 周囲の明度が急激に下がっていくような、異様で冷たい感覚が満ちる中、夜叉に抱えられながらも気丈に彰子は言い放つ。 だって、判ってしまったから。 一度だけ彰子から視線を逸らせ、瞬き一つしたら見逃しそうなほんとうに小さい一瞬、は其の眼差しを隣に置いた青龍に向けたのだ。 視線を向けられた青龍ですら夜叉を射る様に見据えて居た為視線は交錯しなかっただろうが、彰子は確かに見た。 秀麗な貌は苦痛に歪み、何かに耐えるよう、そして何かを諦めるように唯本当に刹那の間だけ、が青龍を滲む様に見詰めた。 もう二度と見詰める事など許されない様な、悲しい疼痛を抱えているような、そんな面持ち。 痛烈に彰子は悟る、は青龍を好いているのだ。好いていて、自分の為に、全てを棄てようとしているのだ。 嘗て自分が昌浩と離れ離れになった時に感じた痛嘆とは比べ物に為らない痛みを覚悟して、は唯、切なさを滲ませる事無く一瞬だけ青龍を見詰め、耐え切れぬように愛しげに黄金の相貌を歪めた、んだ。 彰子は心の中で決心する。 命殺がれても仕舞っても構いはしない。 が十六夜の晩に出す結論で自分が犠牲に為ろうとも、自分は微塵の怖れも後悔も無く、自身を捧げるのだと。 [ home ][ back ] [ next ] (「………そして も嫌いだ。」の空白は敢えて、です。詳細は後ほど本編で。気丈な彰子姫が大好きです。) (C) 2002-6 The fanfictions are written by Saika Kijyo. update 2006/10/16 |