注意:
この夢小説は、桂 牡丹さんとのコラボレーションで実現した夢です。
「Need only to you」は、牡丹さんの書かれたバレンタイン夢:「Much inside and one」の後編になって
おります。
したがって、前編を読まないと話の辻褄が合わないので、「Much inside and
one」を読んだことの無い方は、牡丹さんのサイトさんへお願いします。
桂 牡丹さんのサイトさんへ。
(別窓で開きます)
Dream内のセブルス・スネイプのページに在りますよvv
Need only to you
入った地下室は、いつもと全く同じ風景、何一つ変わることの無い情景。
けれど、伝わってくる何か冷たいような感じは、いつもと何処と無く違っていて。
一歩足を踏み入れたら、別世界へ行ってしまいそうなくらいに、其処はいつもと違う顔を見せていた。
「かけたまえ」
心なしか、何時もよりも優しいような声色なのは幻聴だろうか。
スネイプが
の手を引き、ソファーに座らせる。
初めて部屋に来たときのような、そわそわとした落ち着かない感覚に苛まされながらも、自我を保とうと自分に言い聞かせる。
数分もたたない内に、温かい湯気と共に、薫り高い紅茶が汲まれる。
バチバチと音を立てて燃え上がる暖炉を見つめながら、
は今日一日を振り返る。
間違ったことは、何一つとしてしてはいない。
頂いた物も、丁寧に扱ったし、粗末になどしていない。
人の行為を無駄には出来ない性格だから、全て綺麗な状態のままに部屋に置いてある。
…一番愛しい人からの贈り物を除いては。
「ゴミ同然の貰い物は開封したかね?」
コポコポと紅茶をカップに注ぎながら、あくまでも瞳を合わせずにスネイプが開口する。
部屋には、スネイプが淹れる紅茶の立てる音と、炎が揺らめく音しか聞こえない静寂が支配しきっていた。
何時も以上に透き通って聞こえる恋人の声は、やはり何処と無く冷たさと怒りが含まれていた。
「いえ…、そのまま此処に来ましたから」
目の前に置かれた紅茶の琥珀色を見つめながら
はそう返す。
”まぁ、飲みたまえ…”
目配せでそう言って、スネイプは自分のカップに口を付けた。
緊張と推測できない言葉への重圧で喉がカラカラに渇いていた
は、素直にカップに指を掛け、一口・二口と飲み落とす。
「では、告白の返事は何と答えたのかね?」
何時もながらの鋭い瞳がさらに冷たさを増す。
やはり、彼は見ていたのだ。
そして、こういう時に役に立つのか、地獄耳が。
が沢山のプレゼントと共に貰った言葉を彼にも聞こえていたのだ。
”もし良かったら、付き合って貰えませんか?”
にプレゼントを渡した男の、実に8割が口にした台詞。
そのたびに、
が告げる台詞も毎回決まりきっていて。
「勿論、全てお断りしましたよ?」
今更何を言っているのか…と、きょとんとした表情でスネイプを見つめる。
しかし、やはり彼の瞳は笑ってはいなかった。
突然真横に座られて、
は緊張で身体が強張る。
”他の男からの貰い物なぞ…!”
と言われ、頬を叩かれたらどうしよう。
いや、仮にも紳士。
そんなことは先ず無いだろう。
だとしたら…横に座る意味は一体…。
「 我輩が…
以外の誰かにプレゼントを渡していたとしたら、どうするかね?」
様子見をするように問いかけるスネイプに、
はきっぱりと即答する。
”厭に決まってるじゃないですか”
と。
すると、再びスネイプから質問が投げかけられる。
「 では、逆に我輩が女性からプレゼントを貰って…
同時に告白をされ、
”好きでも嫌いでもない”
そう答えたらどうするかね?」
「 駄目ですよ!!
その女性がスネイプ先生を諦めるような断り方じゃないじゃないですか」
同じように即答してみたものの、言ってみてからはたと気づく。
”好きでも嫌いでもない”
これは
が告白を断る際に、
『オレのこと嫌い?』
そう聞かれて答えた台詞だった。
そのときは、自分の中では、相手も傷つけずに断れる素晴らしい台詞だと思った。
しかし。
実際スネイプがそう言ったと仮定して…想像してみると、これ程残酷な言葉は無いような気がする。
自分なら、”嫌いでは無いなら好きになって貰えるかもしれない”という淡い期待を抱くかもしれない。
そして、ハッキリ恋人がいると言うことも
は告げてはいない。
に告白した男たちの大半は…
壮絶な努力をするだろう。
を我が物にするために。
「 ごめんなさい…
私、今からみんなに言ってきます!!」
そう言って立ち上がろうとした
の細い腕を、スネイプは制止するように掴む。
立ち上がるときについた反動と、押し戻されるような反動とが重なって、強いほうに引かれるのは当たり前のことで。
ぐいっと腕を掴まれた
は、ぱふん…と元居た位置に座りなおす羽目になる。
「 折角の放課後だ…此処に居たまえ」
そっと耳元で囁かれれば、従うしか無くなってしまう。
と、同時にスネイプが言わんとしていた事の意味が理解できて、肩の力が抜け落ちる。
安心しきった
が、そっとスネイプの肩に頭を乗せる。
さらりと落ちた
の髪を、優しくスネイプが撫でる。
「 我輩からも、プレゼントがあるのだよ。
手を出したまえ」
何だろう?と疑問符を浮かべながらも
は片手を差し出す。
懐に手を入れたスネイプは、何かを取り出すと、
の掌の上に、淡いグリーンの小さな箱と何かを載せる。
一瞬冷たいような感覚が走って、何かとよくよく見てみると…
「 え…?
先生、これって…」
「 欲しかったのでは無いのかね?
これから我輩がいない時でも此処に来るといい」
掌に乗った小さな金属は、小さな鍵で。
それは、この部屋の入り口についている鍵穴を開けるための物。
以前一度だけ、愚痴のように零した事がある。
”先生の部屋に鍵が掛かっていると寂しい…”と。
それをスネイプは覚えていた。
敢えて言うことは無かったけれど、そんなささやかな優しさが物凄くあったかくて。
は『スネイプ先生を好きになって良かった…』と心から思う。
…のは、一瞬だけかもしれない。
「ちょっ…先生…なんか、身体が動かないんですけど…」
もう一つのプレゼントを開けようと、鍵をテーブルに置いて、箱の上のリボンを掴もうとしたとき、身体が強張って、意思に反して全く動いてくれない。
痺れている様な感覚が続くだけで、身体はおろか指先すら動かせず、唯一できるのは言葉を発する事だけで。
どうしていいのか判らない…そういうように、スネイプの方へ視線を動かしてみれば、意地悪そうにニヤリと口角を歪めた彼と目が合う。
「 やはり、今日一日我輩に多大なる心配を掛けたとして…
身を持って二度とこんなことの起きぬ様、再教育せねばな」
ククッと楽しそうに笑い、
の掌から、箱を掴むと鍵と一緒にテーブルへ置く。
さーっと顔から血の気の引く
を尻目に、小さく何かを詠唱して暖炉の火を消す。
固まったままで動けない
をそっと抱え上げると、奥にある自室へ向かう為に歩き出す。
「 スネイプ先生の馬鹿っ!スケベ!!降ろしてよぉ〜!!(泣」
悲痛な叫び声をあげるも、抵抗も出来ずに紡がれるのは言葉だけで。
間違いなく、スネイプが淹れた紅茶に何かの薬が入っていたに違いない。
そう気づいたけれど、今じゃ取り返しなどつくはずも無くて。
様々な罵声怒声を言い放っても当の本人はお構いなし。
険相な表情を崩さぬまま、足取りを進めるだけ。
「 好きなだけ言うがいい。
だが、全て自分の身体に帰ってくると思え」
は慌てて言葉をかき消すけれど、それは時既に遅い。
恋人同士の甘い時間は、今、始まりを告げたのだった。
余談ではあるけれど。
週明けに、魔法薬学のレポートを「受け取り拒否」で再提出を命じられた者が続出したらしい。
それは、
に告白した者であるというまでも無いであろう…。
□ あとがき □
牡丹…ごめんなさい(泣
なんだか全然思い浮かばなくて、こんなになってしまいました(大泣
素敵な前編を頂いたのに…イメージした後編と違ったら…いえ、きっと違うでしょう。
一回目に私が書いたときも違う感じでしたから。
裏まで書けなくて申し訳ないです。
裏で書けそうだったんですが…いえ、書く気バリバリだったんですが…(苦笑
一応、題名続き言葉のように合わせてみましたが…内容とは関係無い気も…。
愛想つかしちゃったらどうしましょう…
それでも私は貴女に付いていきます!!
また、別な形でコラボしましょうね♪楽しみにしていますvv
取り敢えずは、あのオリジナル…で、この挽回をして見せます!!
余談ですが…ヒロインが貰った箱の中身。
お好きなようにご想像くださいませ(笑)
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