Dairy Life





名家マルフォイ家の当主、ルシウス・マルフォイに当てられる視線は、その性格の荒み加減さから、世間様の瞳は冷たい様にも感じられる。
彼が妻を娶り、家庭を作ったと知れば、卒倒する者が果たしてどれくらい居るであろうか。
マグルを毛嫌いし、ヴォルデモードの手先ですら合った、という噂は絶え間なく続き、彼に対する風当たりはかなり冷たい。
それを証明するかのように、彼自身もまた、酷く冷たい冷徹な性格の持ち主であり。






けれど、世間一般の人々は知らない。



彼が”超”の付く位の愛妻家であることを。






* * *






「…今、帰った」






バタン、という小さな扉の閉まる音と共に聞こえてきたのは、酷く疲れたようなルシウスの声。






「お帰りなさいませ、旦那様」






続いて聞こえるのは、代々マルフォイ家に執事として使えてきた老人の声。
パタパタと廊下を歩く音がして、長い廊下をルシウスが歩く。
そのすぐ後ろを、腰の低い男性が、ルシウスのローブと書類の入った鞄を持って付き添う。






「… はどうした?」






いつもなら、ルシウスが帰宅する時間には玄関に出て、自分の帰りを待ち遠しそうに待つ愛しい妻。
その妻、 の姿が今日は見受けられない。
仕事もしていない は、常に家に居る。
それだというのに、自分が帰ってきてもなお、出てこようとしない に少々立腹感すら覚える。






「そ、それがですね……」






曇ったような表情で言葉を濁す男。
瞳は完全に自分を見ては居なく、うろうろと必死で視線をそらす。
その男の態度と表情に、冷たい視線で一瞥すると、ルシウスは”またか…”と心の中で深い溜息を付く。






長い廊下を突き当たって、階段を上った更に奥にあるのはルシウスの自室。
けれど、ルシウスは其処へは向かわずに、すぐ左手に見える大きな家紋の入った扉を押し開けると、づかづかと最奥を目指す。






「… 、何をしている…」






其処は大広間で、食事用のテーブルが幾つも並んでいる。
その突き当りには、厨房があり、世話しなくコックが夕飯のための料理を作っている真っ最中だった。






「だ、旦那様、お帰りなさいませ!」
「旦那様、お帰りなさいませ」






自分の存在に気づき、次々に、声をかける女中達。
それは明らかに歓喜の声色を帯びており、瞳には赤が走る。
仕事をしていた手を止め、ルシウスに見入ってしまうもの、
ルシウスの声を聞いただけで、手にしていた皿を落としそうになるもの、
仄かに香る甘い香りに卒倒しそうになるもの、
それら全ての視線には一切目もくれずに、ルシウスは厨房へと無理やり入り込む。






「あ、ルシウス、お帰りなさーい……って、きゃ」






厨房の最奥に愛しい妻の姿を見つけたルシウスは、有無を言わさずそのまま身体を抱き上げる。
真っ白いエプロンに身を包んだ は、まさに世間一般で言うところの『幼い新妻』そのもので。






「いいか、こんな場面をもう一回見ることがあったら、この場に居る全ての者は解雇だ」






冷たく言い放つと、バタン、と勢い良く扉を閉める。
閉めた扉の向こう側には、未だ困惑の表情を浮かべた男性と老人がおり、ルシウスに深く一礼した。
ふんっ…と鼻で笑うように嘲けたルシウスはそのまま何語も発せずに、愛しい妻を抱えたままで自室に向かう。
は落ちないようにルシウスの首に捕まりながら小さく溜息を漏らした。






「 ルシウス、駄目だよ、あんなこと言っちゃ。
 悪いのは私なんだから…。」



「 自覚があるなら正すことだ。
 さすれば、奴等も職探しをしなくて済む」



「ただ料理を手伝っていただけじゃない…。」



「 ただ料理を手伝っていただけ、だと?
 その綺麗な身体に傷でも付いたらどうするつもりだ」



「 失敗なんてしないから大丈夫だもん
 それに、ちゃんとコックさんに教えてもらうもん」



「 …Very…いや、Bestが付くくらいに抜けているお前が
 失敗しない筈などある訳が無い。
 以前に、 が教授される前に言葉を発したらコックは解雇だ」



「………」






ぱふん、と観念したようにルシウスの肩に顔を埋める
これ以上、何を言ってもルシウスは の言葉に耳を傾けることは無いだろう。
それを暗示するかのように、ルシウスは両腕に を抱えたままで、無言で階段をあがり、自室へと足を進める。






「旦那様、此方にお掛けしておきます」






部屋に入った執事のうちの一人は、馬鹿でかいクローゼットを開くと、手前にあるハンガーを掴んで丁寧にローブを掛ける。
一方のルシウスは、抱えたままの をそっとキングサイズのベットに下ろすと、襟元の釦を緩める。






「夕食までにはリビングへ向かうから呼びに来るな」



「畏まりました。
 では、失礼します」






最後にもう一度深く一礼して、男は外で待つ老人と共に部屋を去る。
ばさり、と重そうなジャケットを脱ぎ捨てたルシウスは、低く呪文を唱えると、がちゃり、と重そうな音を立てて部屋の鍵が閉まる。
瞬時に、部屋の明るすぎたライトが柔らかいものへと変わり、異変に気づいた はベットから立ち上がろうとする。






…が。






「何処へ行く」






ぎしっ…とルシウスが座った重みでベットが軋む。
その蒼い瞳は完全に だけを映していた。
立ち上がろうとする の肩を優しく抑えると、ぐいっとベットに押し戻す。
ぱふん、と微かな羽音をブランケットが立てたと思った矢先、天井が映っていた筈の の瞳に、意地悪そうな微笑を浮かべたルシウスが写る。






「い…いや、ほら…その…」






「 言うことが聞けない悪い子には…
 仕置きが必要だな、






耳元で囁くそうに吐息混じりに聞こえる甘い声。
背中に奔る甘い疼きに、身を捩れば、その身は既にルシウスの腕に落ちてしまう。
本能的に回避しようとぐっと身体を押してみても、体格はもとより、か弱い女の力が、男の力に勝るはずも無い。
クスリと低く笑われて両手を押さえ込まれる。






「 駄目だ、と…何回言った事か…」



「だ、だって……んっ……」






囁きながら、ちろりと耳を舐め、唇で挟みこんでやれば、歓喜に躰が震える。
ゾクリとした独特の感覚が走り去ったかと思えば、聞こえるルシウスの甘い囁き。
覚醒してしまう、と脳が助けを求め始めていた。






「だって、何だ?」






その繊細な指は、真っ白いエプロンを腰から取り去ると、同じく白いシャツの釦を外しに掛かる。
ぷつぷつと音を立てながら外される毎に現れるまっさらな生肌に、ルシウスは感嘆の溜息を零さずには居られない。
柔らかく口付けてやれば、まるで吸い付くようにしっとりとした感触が唇を通して伝わってくる。






「私だって…、奥さんらしいこと…したいっ……ぁぁんっ」






そっと胸を揉まれ、淡く色づくその果実に舌を這わせられば、喉の奥から甘い嬌声が毀れる。
幼いうちに慣らされた躰は、少しの刺激でも心地よい反応を返し、それがルシウスに更なる火を灯す。






「 妻らしいこと、か…。
 では、こうしようか、






妻らしいこと、で何かを思いついたのか、ルシウスは瞳を細めて熱に浮かされた を見つめた。
こういうときは対外いい結果は戻ってこない。
そう感じた が言い返そうと口を開いた瞬間、それはルシウスによって塞がれる。
優しく口付けられたかと思えば、すぐさま進入してくる熱い舌に翻弄され、惑わされる。






「 では、奉仕して頂こうか…
 妻らしく、な…」






ニヤリ、と笑ったルシウスを制すること等…
躰に熱の入った には不可能なことだった。






* * *






ぴちゃり…と濡れた水音だけが部屋に響いていた。
淡く映し出された灯りに照らし出されたのは、瞳に涙を浮かべ苦しそうに喘ぐ の姿。
ルシウスの上に跨る様にして、可愛らしいその唇には、似つかわしい程猛々しいものが咥えられている。
その の下で、ルシウスはさも面白そうに微笑を浮かべる。






「上手に出来たら、褒美をやろう」






自嘲気味に笑って、ルシウスは自分の眼下に映し出された淡いピンクに色づく箇所をペロリと舐め上げる。
其処は既に、追い隠すものなどなにも無く、可愛らしいスカートも捲り上げられて意味を成すことなど無い。
よくよく見れば、小刻みに震えて、頂点を極めることを望んでいるようにも見受けられる。
それを証するかのように、しとどに濡れそぼった其処からは絶え間ない程蜜が溢れ出していた。






「んっ……んんっ……っ」






幼い舌が必死にルシウスを極めさせようと齷齪動く。
しかし、完全とまでは行かずとも、既に誇張したルシウスのソレは の小さな咥内に半分も収まっては居ない。
拙い仕草で舌を這わせてみても、それはルシウスの快楽にさほど意味を成さない。






「そんな仕草ではいつまでも褒美はやれないぞ…」



「きゃあん……っ」






煽るように言ったルシウスは、チロチロと蕾に舌を這わせながらそう囁く。
つぷん…と、微かな音を立てて指を少し差し入れてやれば、それだけで には耐え難い快楽となってしまう。
瞬間に、 の口からずるりと抜け落ちた事に苛立ちを感じたのか、ルシウスは「咥えろ」と嗜める。
慌てて咥内に招き入れれば、褒美とばかりに差し入れた指を柔らかく動かしてやる。






「…っ……んっ……っ…」



「 どうだ?
 少しは楽になったか?」






指を小刻みに動かしながら、唇で蕾を挟み、ねっとりと舐めあげる。
楽になるどころか、焦らすようなその快楽に、 はただ喉の奥で喘ぎながら涙を浮かべるばかり。
それが手に取るように判るルシウスは、自分を求めて止まない可愛いソコを更に焦らす。






「んっ…ルシウスッ……もう、もう…」






限界だ、とばかりに は泣き出してしまう。
溢れ出した蜜は、 の足を伝ってルシウスの真っ白なシャツに染みを作るばかりで。
極められないもどかしさで、腰は揺れ、もっと確かな刺激を求めている。
既にとろとろに溶けているソコに、指を差し入れたまま、ルシウスは低く笑った。






「仕方の無い子だ」






ぎゅちっと音を立てて擦るように刺激してやると、ソコは嬉しそうに蜜を溢れさせる。
そして、更に刺激を求めようと腰を揺らめかせる愛しい者の痴態にルシウスは満足そうに瞳を細めた。
強引に の口から自身を抜き去ると、その刹那の間に、熱くヒク付くソコに押し当てる。






「きゃぁぁぁぁっんっ」






ぐいっ、と一気に最奥まで突き入れてやれば、 が高い声で啼く。
縋り付く様なか細い腕を背中に誘導させて、ルシウスはそのままゆっくりと動き始める。
甘い、甘い宴は、始まったばかりで。






の甘い嬌声が聞こえなくなるのは、まだ大分立ってからのこと。









* * *






暫くの時間が経過して、食堂に現れたのはバスローブにガウンを羽織ったルシウスだけだった。
それでも、誰も「奥様は?」と聞くものは居なかったという。
女中達はみな、「羨ましい」と心の中で呟き、頬を赤らめ、
執事達は気づかない振りをするかのように視線を合わせず、
コック達はそんな心配よりも、 のために冷めても美味しく食べられる料理を作り始める。






食事を終えたルシウスは、「わたくしがお運びします」という執事の言葉を綺麗にシカトして、 の分の食事を自室に運んでいったという。






マルフォイ家に使えるものたちは、皆、知っている。






当主、ルシウス・マルフォイは”超愛妻家”だと。








□ あとがき □



愛しい桂 牡丹さんへ捧げる相互リンクお礼夢です★
昨夜のチャットで頂いたリク内容なんですが…

「ルシウス殿下裏夢で、奥さんとの甘い生活」

…甘くは出来たような気がするのですが、キモイくらいに愛妻家なルシウスになってしまいました(笑)
やっぱり私が裏を書くとエロなんですね(苦笑)
こんな夢でも貰って頂けますでしょうか??
愛する牡丹のために頑張ってみたのですが…書き直し、承ります!!
あぁぁぁ、牡丹…こんな私の相手をしてくれて有難うv
心からお礼と、僻地から叫ばせていただきます!!
大好きだぞ〜!!(笑)




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