Kiss Mark -Other Side-
やわらかいお湯が、肌にやさしくまとわりついてくる。
「……ふぅ、いい気持ち」
大きく息を吐いて、手足を伸ばした。
空には既に幾数多の星星が輝いていた。
今にも降って来そうに、揺ら揺らと小さな光を放ちながら瞬いている。
立ち上がると空気は冷たいけれど、お湯に浸かっていれば暖かい。
それが露天風呂の醍醐味なのだから。
「
、まだか?」
苛立ったようなスネイプ先生の声が小さくしじまに響く。
”先に入っていろ、我輩が入ってきても良くなったら呼べ”
そう言ったスネイプ先生の声は、冷え切った空気に混ざり合って消えていった。
岩肌を伝って流れ落ちるお湯。
ちょうど腰掛けられるようになっているところにもたれて、
はうっとりと目を閉じる。
あと、少し。
もう少し。
抱き締められたら、きっとスネイプ先生のペースに持っていかれてしまうから、もうちょっとだけ。
「
」
「なぁに、気持ちいいよー」
おざなりに答えながら、
はたゆとうお湯に身を任せた。
あと、幾つ数えたら…スネイプ先生を呼ぼうかな…と心の中で考える。
そう思考を巡らせていたら、急に心臓がドキンと鳴った。
呼んだら…どうなる?
ドキドキと鼓動が早くなる。
熱くなってきて、鼓動が早いから少し苦しくなる。
挙句の果てに、岩を掴んだ手が滑って、バシャンと大きな湯音が立った。
「
、どうした?」
「な、なんでもないよ!」
あわててそう答えたけれど、ドキドキがとまらない。
自分の出した意外にも大きな音のせいで、スネイプ先生は腰のタオルを巻いたままの格好で、湯場に足を踏み入れてきた。
心配そうにかけられる声。
自分が大丈夫なことを確認したスネイプ先生は、タオルを巻いたままの私を湯船から引き上げると、頭がすっきりするだろうから、と身体を洗うように薦める。
いいかもしれない。
とりあえず、お湯から上がれるから、のぼせる事もない。
抱えられたままの
は、スネイプの力を借りて、岩場の間に座り込んだ。
上手い具合に、平らな岩に座れるようになっている。
は身体に巻いたタオルを前を隠すように取り払うと、スネイプに背中を預けた。
背中を洗ってやる、と言って聞かないスネイプのために。
「 相変わらず綺麗な肌だな。
火照ってピンクになってる」
ごく普通に言われたのに、
は頬が熱くなった。
「肌が滑々で…酷く綺麗だ、
」
泡立てた石鹸を背中に塗りつけられて、何故だか身体にゾクリとした感覚が走る。
ほんの数時間前、スネイプに言われた台詞が科白と重なった。
『綺麗な色だな、ピンク色で』
『滑々で、いい匂いがするな』
恥ずかしいところをスネイプに晒した時、そう言われて
は熱くなったのだ。
思い出してしまったら、躰が歓喜に息づき始める。
「ねぇ、ねぇ…もういいよ」
「まだだ、大人しくしていたまえ」
また、記憶がリピートされる。
よみがえてってくる。
「まだだ…大人しくしていろ」
そう言って、スネイプは、
を煽ったのだ。
何度も何度も、
のところを追い上げては、はぐらかして。
啼かされて、身悶えして、
は顔から火が出るような恥ずかしい事を口走ってしまった。
その時の満足そうな意地悪なスネイプの表情。
思い出したら、それだけで体が震えてしまう。
「も、もう…、後は自分でするから…!」
「じゃあ、湯を流すぞ…」
肩口にささやかれて、吐息が耳元を掠めるだけで、浅ましく反応してしまいそうだ。
どうして、こんなに…。
たったこれだけのことで感じてしまう…?
ジャッとお湯をかけられ、スネイプの手がそっと肩に触れただけで、
は声を上げそうになった。
なのに、スネイプ先生ときたら…。
「のぼせているなら先に上がったほうがいい」
さっと立ち上がって、露天風呂のほうへ消えようとする。
「…スネイプ先生っ」
は大きな背中を呼び止めた。
此処はこんなにも暗いから…
星の明かりだけでは暗すぎる。
「何かね?」
「私も…一緒にはいる……」
「せっかく洗ったのだから、そのまま部屋に戻るといい」
勇気を出してそう言ったのに、スネイプはそんなことを言う。
もうこんなに熱いのに。
スネイプ先生が…欲しいのに。
「馬鹿っ!!」
ジャバッと手元にあった洗面器のお湯をかける。
流れたままのお湯を掬ってまた、かける。
頭からお湯をかぶったスネイプは、ため息をつくように小さく息を吐くと、
「どうなっても知らんぞ」
ぎゅっと腕を掴まれて、
は身を硬くした。
そのまま抱き寄せられて、スネイプの腕の中に崩れて落ちる。
かみ締めたようなスネイプの唇から小さく何か漏れた気がしたけれど、聞こえない振りで、
はスネイプにだしがみついた。
「あん、んんっ…あっ」
スネイプの膝の上、大きく足を割り広げられて、
は恥ずかしさにスネイプの肩口に頬をうずめた。
「気持ちいいのかね?」
そんなこと、聞かないで欲しい。
躰に埋まったスネイプが、先ほどから
を翻弄させている。
グチュっと漏れる恥ずかしい音に
は真っ赤になる。
揺すられて、突き上げられると、その度に躰が啼く。
「
」
耳元を掠めるスネイプの声だけが、
を快楽の中に閉じ込める。
「ぁ……ぁぁ……んっ」
意識を手放すことさえ出来ずに、
はただただ啼かされた。
何度達したのかさえ判らなくなり、それでもまだ、熱いスネイプを躰の中に抱き込んだまま、
は高い声を上げ続けた。
* * *
足腰が立たずに、
はスネイプに抱えられて部屋に戻った。
「済まない、無理をさせた」
欲しかったのは、自分も同じだからと文句は言えずに、
は黙ったままで首を横に振る。
「…温泉って…疲れを癒すためのものじゃないっけ?」
ふとした疑問を口にしてみれば、ニヤリ、とスネイプが笑う。
「では、もう一回入るかね?」
耳元で囁いた声は、
の躰の奥に更なる目覚めと呼び起こした。
□ あとがき □
…表にある「Kiss Mark」の続きなんですが…表も微妙じゃ裏も微妙だ〜!!
稀城にしては珍しいほどに微エロ。
うーん…物足りない感じがするのは私だけでしょうか(苦笑)
それにしても、スネイプ先生の腰巻タオルは…萌えるなぁ…(爆笑)
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