Overprotection








「 わーいvパパ、有難う!!
 やっぱりパパ、大好き!! 」













満面の笑みを浮かべた少女が、箒から舞い降りたスネイプの頬に口付けた。
腕に抱えた一回りほど小さい紙袋に包まれた箒を危なっかしい仕草で抱える。
よろよろとよろめきながら箒を抱える少女をそのまま腕に抱き抱えると、スネイプは頂いたキスのお返しに、少女の頬に口付ける。
その行為に嬉しそうに微笑った少女は、大きな瞳に漆黒の黒髪、幼いながらにして可愛らしくも美しい少女だった。













「 あら、セブルス、お帰りなさい。
 との約束、きちんと守ったのね。 」




「 あぁ、流石にあぁ毎回の様に泣かれては困るからな 」













石畳を上ると、重い音を立てて木の扉が押し開かれる。
柔らかく微笑んだスネイプの見つめる視線の先に居るのは、腕に抱いた少女と同じ様に大きな薄紫の瞳を持った綺麗な女性。
手にしたバスケットを脇のベンチに置くと、さらりと流れる美しい黒髪を細い指で束ねながら、少女と同じ様にスネイプの頬に柔らかく唇を寄せる。
直ぐに退きかけたその細い顎を指先で掴み、スネイプは更に深く口付けを落とした。
…実の娘が見ているというのに、お構いなく。













「 パパ、今日は私がママとでーとなんだから! 」





「 あぁ、そうだったな 」













何時までもを離そうとしないスネイプに、頬を膨らませて剥れた咲は、小さな手でスネイプの頬を制止した。
照れたように微笑むの脇に咲を下ろし、三人で中庭へ移動する。
元、ホグワーツ生であるとスネイプが結婚したのは既に数年前になる。
目に入れても痛く無いほどに可愛らしい愛娘が生まれたのは今から三年程前のこと。
日に日に成長する咲が可愛らしく、また、愛しい妻に会いたく、スネイプは週末になると仕事を持ったまま家に帰宅する。
最近ようやく一人で走れるようになった咲は、玄関先までスネイプを出迎えるようになり、スネイプが箒で行き来しているのを見て以来駄々を捏ねる様になった。

も、パパとママみたいにお空が飛びたい!!”

最初は「駄目だ」と言って聞かなかったスネイプも、泣く可愛い一人娘と、困ったように表情を歪める愛しい妻の表情を見ているうち、あっさりと折れてしまう。

「次の週末に箒を買って帰る」

そう言った瞬間に嬉しそうに笑ったの顔が、スネイプの頭から離れることはない。













「 でね、。ここをしっかり持って… 」




「 ママ、こう? 」



「 ううん、そうじゃなくて…、そう、そう握るのよ 」




「 このまま飛べばいいの?? 」













学生時代から身長の変わらないは、使い慣れた箒に跨って、咲に優しくレクチャーする。
クィディッチの選手だっただけあってか、はスネイプが認めるほどに箒の乗りこなしや扱い方が上手であった。
しかし、幾ら教える人物が優秀であれ、教授を受けるのがようやく歩けるようになった幼子、しかも愛しい娘とあってはスネイプも気が気ではない。
口は出さないものの、時間の経過と共に強張る表情と落ち着きの無い動作が、スネイプの過保護さを際立たせる。
先に宙に浮いているに少し遅れて、ようやくふわりと数センチ舞い上がった
バランス感覚が掴めていないのか、よろよろと左右によろめき、今にも転びそうである。













、大丈夫? 」




「 ママ、私もママみたいに高く上がりたい 」




「 未だ駄目よ、もう少し慣れてからね 」













そう制したの話を右から左に流した咲は、自分の意志で更に空へと舞い上がろうとした。
その瞬間、ぐらりとふら付き、右側に体重が集中したは、片手を箒の柄から離しかける。
が慌てて片手を伸ばしたその瞬間に、箒に飛び乗ったスネイプがの身体を抱き抱えたまま上昇した。
地面にはカラン、と音を立てて、咲の小さな箒だけが取り残される。
流石に「恐い」と思ったのか、小さなの瞳に、大きな涙が乗っていた。













、お前には未だ早い 」




「 そうね、もう少しパパの腕の中がいいかもしれないわね 」




「 そう言うも少し危なかったが? 」




「 …セブルス、心配性すぎるわよ 」













スネイプの腕にしがみ付くは、遥か下方に見える景色に目を奪われていた。
ぐんぐんと遠ざかる景色を見ながら、先ほどのバスケットを抱えたがスネイプの隣でゆらりと箒で風に乗る。
瞳を大きく見開いた咲が、微笑むと柔らかい表情を浮かべたスネイプとを交互に見た。
二人寄り添うようにして並ぶ二つの長い影が、草原に綺麗に落ちる。
本当は三人で向かう筈だった公園へは、を抱いたスネイプとの二つの箒で向かうことに。













「 パパ、も大きくなったらママみたいになれる? 」





「 あぁ、お前は私との娘だからな 」





「 じゃあ、私もパパみたいな人とケッコン出来るんだねv 」













そう言って微笑んだに、スネイプは苦笑を浮かべるしかない。
ニコニコ笑って返答を待つ咲に、答える気配の無いスネイプ。
その間にいるは、咲と同じ様に微笑んでこう言った。













「 そうよ、にもパパみたいに素敵な人が現れるから大丈夫 」






「 わ、我輩はを嫁にやる気等無いからな!!
 誰が愛しい一人娘をくれて等やるものか! 」













の微笑ましい会話に、一人眉間に皺を寄せ、怒りマークを浮き立たせるスネイプ。
を抱いた腕を更に強く抱きしめ、誰に言う訳でもなくスネイプは激を飛ばす。
とスネイプの顔を交互に見ては話が飲み込めていないの視線は泳いだまま。
で、余りのスネイプの過保護さに頭が痛くなるのを感じる。













「 …セブルス、は未だ三歳よ… 」













溜息と共に呟いたの言葉は、小さく空に消えた。
















■ あとがき ■


50000hitリクエストドリーム、 sakura 様へ捧げますv
リクエスト内容は…

 『元教え子だったヒロインと晴れて(?)結婚した教授。
愛娘も産まれて公私ともに充実した幸せな日々。

最近、やっと走れるようになった愛娘が週末を利用して教授が帰宅する度に
「わたしもパパとママみたいに、ひとりでホウキに乗る〜」とか言って教授に駄々をこねる。

で、娘にせがまれた教授は幼児用のホウキを購入(売ってるのかっ?!)
早速危なっかしい仕草でホウキに乗ろうとする愛娘にハラハラ!
更に分かり易く乗り方を教えているヒロインの仕草もどこか危なっかしくて教授は冷や汗タラタラ;。

結局、自分でホウキを買ってきたクセに「一人で乗るのはまだ早い。
2人とも怪我でもしたら大変だ!」と愛娘を抱えて自分のホウキで二人乗りしてしまう超心配性なパパスネ・・・・。』
 
…微妙…(笑)スネイプの心配さ加減が足り無かった気がします。
どうも、パパスネは苦手です…(汗)
書き直し、リクのし直し等承りますので、お気に召さない場合はお申し付け下さいませ。

娘を心配する父親。
スネイプに娘が出来たら…相当な勢いで心配するのでしょうね(笑)
パパスネは読んでいて物凄く楽しいのですが、書くとなるとやはり難しいですね。
スネイプに息子が出来て、ヒロインにベタ惚れ…とかも楽しそうですね!
何だか続き物になりそうですが…初めて書いたパパスネ、どうだったでしょうか。
もう少し心配性なスネイプにしたら良かったですかね(笑)





++++ この作品はsakura 様のみお持ち帰り可能です ++++











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