この腕をどれだけ伸ばしたら、君にこの想いが届くのだろうか。
嫌われているかも知れぬこの存在に、君が気づいてくれると言うのだろうか。
傍で見守ることにも疲れてしまった我輩が見つめる君は、いつも悲しそうに脅えていて。
何時までたっても慣れることの無いホグワーツホスピタルでの仕事に、飽き飽きしたかと思えば、毎朝定時にやってきて。
どれだけ怒られ、怒鳴られてもめげる事の無いその精神の強さに、いつの間にか惹かれていた。
愛しい君。
君が我輩の想いに気付くことが…あるのだろうか。







tip of a finger








、1900号室の患者のカルテを 」





「 は、はい、ただいまお持ちします!! 」













広いナースステーション。
深夜ともなれば、広大なホグワーツホスピタルの巡回のため、ナースステーションには数名の看護婦しか残っていない。
精神科専属の看護婦が居る事は非常に稀で、ちらりと立ち寄ったそのナースステーションに彼女の姿を発見した我輩は、思わず用事も無いのに話しかけてしまっていた。
壁際に凭れ掛かるように腕組みをしていると、ぱたぱたと小走り程度の足音が聞こえ、ゆらりと顔を上げる。
膨大な量のカルテを持って駆け寄ってきたに、暫し絶句する。













…我輩は、1900号室、と言ったのだ…
 誰が1900〜1999号室を持って来いと言った!! 」




「 す、すみません!! 」













怒鳴るつもりは無かった。
しかし、連日続いた外科の手術に付き合わされている故、身体が疲労のピークを超えていたのだろう。
考えるよりも先に、言葉が口を出た。
ばらばらと崩れ落ちるカルテを泣きそうになりながら必死に集めるその仕草を見ながら、また一つ溜息をつく。
その溜息にすら、ビクリと身体を震わせ、我輩も手伝ってやろうと傍に腰を落とした瞬間には、驚いた様に尻餅をついてしまう。




我輩は、そんなにも恐ろしい存在なのだろうか。













、今朝方マルフォイ医師に口説かれていたな 」




「 え?あ…あの… 」




「 別に咎めるつもりは無い。
 この医院は恋愛禁止令が出ている訳ではないからな 」




「 ……… 」













そう、余りに内気な彼女と我輩の会話は、一分と持たないかもしれない。
それ故に、今朝方偶然見てしまったルシウスととの会話の内容が、痛いほどに脳裏に焼き付いて。
内気で知られる彼女が、ルシウスに微笑み掛けていたそのシーンを見て以来、どうも我輩は機嫌が悪い。
そうして、そんな日に限って彼女は、我輩の担当にならず、我輩は外科に借り出される始末。
もやもやとした感情が、心を支配する。













「 結構、頻繁にあるのかね? 」




「 はい…お断りをしようとしているのですが、いつも… 」




「 そうか 」













俯きながら、会話もぽつぽつ穴を開けながら、我輩とはカルテを集める。
コチコチと刻む時の音色だけが静かに響いて。
アイも変わらず俯きながらカルテを拾うと、次の会話内容を探す我輩。
交錯しない心と思考が重なってか、ふいに、我輩ととの指先が、一枚のカルテでぶつかる。
慌てて指先を引っ込めたの行動が、我輩の心に火をつける。
引いた指先を無理やり掴んで、引き寄せる。
驚いたように上げたの顔が、紅いに染まっていた。













「 あ、あの…スネイプ先生…? 」





「 断りたいのであろう?ルシウスからの誘いを 」




「 は、はい… 」





「 ならば乞う言い給え。
 ”私はスネイプ先生からもアプローチをされている”と 」




「 え?でも… 」













困った様に俯くの頬い顎を引き上げ。
真っ直ぐに我輩を見射させると、そのまま大きな瞳を見つめる。
みるみる内に赤見を増してゆくその美しい顔を満足そうに眺めながら、覚悟を決めて。













を我輩のものにしてみせる。
 ルシウスなぞに負けて溜まるか。 」





「 あ、あの…スネイプ先生… 」




「 何かね、我輩相手では不服かね? 」





「 い、いえ、問題ありません 」













顔を赤らめて微笑むの表情を我輩は初めて見た気がした。
未だ、始まったばかりではあるが、確実にルシウスよりも見込みは有ると見た。
何故なら…
掴んだ指先を、そっとが握り返してきたのだから。








□ コメント □

山菜蕎麦にて、170000hitを貰って下さったリラさんに捧げます…vv
リクエスト内容は、

・「超内気な看護師ヒロイン」でスネイプ先生式アプローチの仕方♪

…内気というよりもドジというほうが有ってる気が(汗)
何だかどうしようもない位に教授の落とし具合が微妙で申し訳ないのですが、貰って頂けたら幸いです。
勿論、書き直しや、その他の苦情は承りますので、気軽に仰ってくださいませvv

ルシウスにも口説かれているヒロイン。
詳細には書いていないのですが、ヒロインもスネイプの事が好きなんですね〜vv
そして、それに気付いていないのは実はスネイプだけだという!!
これからスネイプ教授は、ルシウスと戦う…というよりも徹底的にヒロインを守るのでしょう…v
あぁ、守られてみたい…。
因みに、アプローチも微妙で申し訳有りません(汗)
教授らしいアプローチ…思いつかなかったのです…(泣)









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