Sacred sacrifice
色彩の存在しない暗黒の世界。
只漆黒の闇に彩られ、僅かに入り込むのは闇夜に浮かぶ月の灯かりだけ。
燈々と灯る蝋燭の明かりだけが一面を照らし出し、純白のシーツに揺れるは、風に運ばれた禊。
身に着けた銀色の飾りも既に彼の手によって破壊され、その形状を留めては居ない。
祈る様に神に救いを求めても、所詮は鳥籠の中。
次第に求める彼の温もりが、心から消え去ることは無い。
「生贄」という名目でつれて来られたこの場所に、私の意志決定権など、初めから存在しては居なかった。
「 、大人しくしていたであろうな? 」
空ろな瞳に、彼が映る。
黒衣に身を包み、緩めた口元からは、一筋の血液が流れていた。
言葉を紡ぐ度に見え隠れする鋭い犬歯が、彼の存在を誇張する。
さらりと流れるの髪を優しく撫でた彼は、細く白い顎を掴んで上を向かせた。
ニタリと嘲う様に口角を歪めた彼は、真っ白な夜着に身を包んだを抱き上げた。
の紅い舌先が柔らかく彼の唇に触れ。
穢れを去るようなその拙い仕草を繰り返すに笑みを零しながら、月明かりに照らされたベットに身を沈める。
「 お前の血液を喉元に落とすことが叶うならば、さぞや美味なのであろうな 」
真っ白く折れそうな程に細い項に、鋭い犬歯が刺さる。
つぷり、と皮膚の割れる音が、の耳にも微かに届き。
伝う液体の冷たさに思わず身を竦めれば、面白そうに彼が嘲う。
ゆっくりと焦らす様に流れ出たその血液を舌先で舐め取ってやれば、首筋に噛み付かれる恐怖にの身体が竦んだ。
ビクリと震えた身体を押さえ込むように押し倒した彼に、は瞳を鋭くする。
「 …いっそ、噛み殺してくれれば楽なのに 」
「 何故、手に入れた極上の贄を手放す必要がある? 」
「 セブルスに飼い慣らされるよりはマシよ 」
「 既に、慣らされているというのにか。 」
ニヤリと笑ったセブルスが、純白の夜着の懐に手を差し入れた。
血液の通っていないその指先は、凍るように冷たい。
帯を緩めるその仕草に意識を取り戻したかのように抵抗して見せるが、その腕も他愛なく捕まえられ、上方に固定される。
塞ぐように荒々しく口付けられ、割り込んできた舌に翻弄されて。
逃げ惑うように腰を揺らめかせても、それはセブルスを煽るに過ぎず。
流れ出る懇願の涙も、彼にしてみれば、余興の一つに過ぎない。
「 泣く程厭な行為すら、濡れる卑猥な躰とはな。
皇帝の娘が、聞いて呆れる 」
14世紀半ば。
既に混沌と混乱に満ちたこの世界に舞い降りた彼は、世界を統治していた皇帝の娘を甚く気に入った。
淡色の髪に黒曜石の如き瞳。
幼いながらにして美しいその少女に魅せられた彼は、「世界の治安安定」を約束に、少女を生贄として差し出す様命じ。
悲嘆に泣き叫ぶ少女を初めて抱いたその日から、少女はセブルスだけの愛願人形と成り果てる。
決して帰還する事の出来ない暗黒の世界に身を投じた少女に、生きる希望など最早存在しては居ない。
「 我が妃と為るべく女が現れても、お前だけは傍に置いてやろう 」
「 誰が…っ… 」
唯一の抵抗とばかりに噛み付いたその唇から、血は流れない。
さぞ面白そうに笑うセブルスが、細い首筋に口付けを落としながら、解き放った帯で少女の腕を括りつける。
”お前の愛したイエス・キリストと同じ格好でさぞや嬉しいであろうな”
と皮肉めいた台詞を吐きながら。
抵抗を見せる様子の無いの太股を柔らかく撫で上げ、その中心に触れる。
既に熱を持った其処を愛しそうに撫で上げると、湿った箇所に鋭い爪先が当たる。
「 いやっ…やぁっ… 」
「 此れ程までに濡らしても、か 」
くつくつと笑いながら、セブルスはその上方に淡く色づく華芯を指の腹で撫で上げる。
尖った長い爪が、を傷つける事は無いけれど、微かに肌に触れる事で、恐怖がの身体を駆け抜ける。
哀願するように流れ続ける涙を舌先で舐め取りながら、添えた手が、雪のように白い胸を掴み上げ。
くちゅりと耳を塞ぎたくなる様な卑猥な音が絶え間なく続くその行為に、は大きく頭を振る。
「 やぁっ…っ、あぁっ… 」
「 乞うされる事を望むのだろう? 」
「 ひっ…っ…やぁぁぁっ… 」
胸の頂きの桃色の果実に軽く歯を当てながら、セブルスはその冷たい指先を少女の中に差し入れる。
蕩けるように熱いその中で擦る様に指を動かしてやれば、自然にの腰が揺れ。
悲しみの涙は止まることを知らないけれど、求める様にその瞳は空ろなまま。
自ら求める様に口付けを繰り替えし、引切り無しに洩れる甘い吐息が、セブルスの欲望に火を点す。
「 その嬌声で叫ぶのは我輩の名だけだと良く覚えておけ 」
「 あぁぁっ…やっ…いっ… 」
声に為らない声が部屋に響いた。
甘美なまでに艶やかな声が、の神経を駆け上ると同時に、セブルスが細い腰を抱き上げ己を突き入れる。
溢れ出た蜜が、の細い足を伝ってシーツに染みを作るけれど、それと同時に鮮血も流れ出る。
想像を遥かに超えるほどの痛みと快楽が同時に躰を駆け抜け、涙が溢れ出る。
人間の想像を遥かに凌ぐほどの大きさを持った其れは、幼いには苦痛でしかない。
それでも、次第に高まる快楽の大きさに、の意識は飛びかける。
「 いやぁっ……おねがっ…おねがいっ……もう、やめ… 」
「 此れほど迄に感じておいて何を今更。 」
「 ひゃぁぁんっ…っ…あぁっ… 」
ぐつ、っと最奥を突かれる。
それでも収まり切らないソレは更なる快楽をに与え。
引切り無しに嬌声を上げるの甘い声を聞きながら、愛しそうにセブルスはを見た。
腕を拘束していた帯を爪で切り裂くと、自由を取り戻した指先で必死にセブルスに縋り付く。
余程の快楽に襲われているのか、その指先で、セブルスの背に傷を作る。
甘い痛みに襲われながら、セブルスがを追い立てる。
「 お前は、一生我輩の傍で生き続けていればいい 」
の瞳から、一筋の涙が再び伝う。
吸血鬼に魅せられた少女は、何時の間にか吸血鬼を愛してしまっていた。
流れる涙は決して悲しみの涙だけではない。
何時か彼の傍から消える日が来てしまうのならば、その幸せを消される前に殺して欲しいと。
何世紀も生き抜く彼が、新しい贄を見つけ出す前に、存在を消して欲しいと。
人間と吸血鬼。
交わることが決して許されぬ神に背いたその行為の先に見えるものは幸せか否か。
「 セブルスっ…好き…っ… 」
が呟いた言葉は空に消えた。
最上の快楽の真っ只中で、彼はその細い首に舌を這わす。
満足げな微笑みを漏らした彼は、そのまま強くを抱きしめた。
少女が瞳に映すのは、彼だけ。
そして、彼の心が求めるのも、少女だけ。
■ あとがき ■
16000hitリクエスト 紅屋 治瑠 様へ捧げますv
リクエスト内容は…
スネイプ教授が吸血鬼で裏。
ファンタジーの王道、吸血鬼。
気合入れまくって書いたんですが…別に此れ、吸血鬼じゃなくてもいいような気がしてなりません(笑)
種族の違いは愛の違いか否か。
教授にとって、愛した少女が人間だったために「生贄」という形で手に入れるしかなかったんでしょうね。
この二人がどうなるか…本当はもう少し書きたかったのですが、この辺で(笑)
吸血鬼な教授…絶対に似合いますよね!!
こっそりとこのシリーズを別物で書こうかな〜なんて考えている稀城です。
紅屋さん、書き直し承りますので、お気軽にお申し付けくださいませv
こんな夢でも宜しければ進呈させてくださいませ。
それでは、リクエスト有難うございましたvv
++++ この作品は紅屋 治瑠様のみお持ち帰り可能です ++++
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