「交換日記」
・には、人には言えない秘密がある。
「ねぇ、。
貴女がいつも持ってる”紅い日記帳”って、交換日記じゃない?」
夕食時。
思わず飲みかけていたポタージュスープを噴出しそうになる。
ゆっくりと声がしたほうに向き直ると、相変わらずニコニコしたままのリリー。
疑うような眼差しではなく、明らかに、何かを知っているようなそんな眼差し。
彼女に隠し事など、出来るはずがなかったのだ。
「え?そ、そんな事無いって!!」
慌てて否定してみるけれど、元来嘘の苦手な私は絶対顔に出てしまっているだろう。
これ以上、目を合わせたら何を画策するか判らない。
早くこの場を離れようといそいそと、夕食に手をつける。
それを面白そうに見つめた後で、リリーは…
「そういえば、最近彼氏出来たんだよね?」
今度は…少々汚いが、「ぶっ」と飲みかけていた珈琲をカップに噴き戻してしまう。
リリーに”彼氏が出来た”なんて話はしていない。
もとより、話す気ではいたが、相手は誰か、としつこく迫ることが目に見えていたので、話す機会と上手く丸め込む様に策を練っていた矢先の事であった。
の彼氏は、リリーも良く知っている人物。
寧ろ、知っているからこそ、話せないのである。
話したら、リリーはおろか、ジェームスやシリウス、はてはピーターにまで止めるように窘められるだろう。
苦労して、頑張って、ようやく実ったこの恋だから…手放すわけには行かない。
”ごめんね!”と心の中で手を合わせて、「用事があるから先行くね」と笑顔で言った私に、リリーは更なる追い討ちを掛けた。
「そうそう、が持ってるものと似たような日記帳を…
あのセブルス・スネイプが持ってるって…ジェームスが言ってたなぁ…」
席を立ち、椅子を戻して帰ろうとしたは、リリーのその言葉を聞いて、がん!と椅子の脇に脚をぶつける。
は顔を真っ赤にして、わたわたと小走り気味で寮へと戻っていく。
「判りやすいわねぇ……、お互いに」
その音が酷く大きかった訳でも、食堂が静まり返っていたわけでもない。
それなのに、がぶつけた瞬間に、リリーは心配そうにを見つめるセブルスと瞳が有った。
何でもないように走り出したを見て、安心したように表情を和らげた瞬間も、見逃してはいない。
初めて垣間見るセブルスの表情と、が真っ赤になった事実が無くても…リリーには判っていただろう。
「甘いのよ」
リリー・エヴァンスを侮ってはならない。
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長い廊下を抜けて、動く階段を渡って、合言葉をいい、ようやく部屋に辿り着いた時にはは息も絶え絶えだった。
後ろ手でドアを閉め、深く深呼吸して息を整えると、誰もいない事を確かめて鍵の掛かった引き出しから一冊の紅い日記帳を取り出す。
朱色がよく映えるその日記帳の表紙に文字などは一切無く、細い金の細工が綺麗に施され、呪文を唱えなければ、開かない特殊な細工が施されている。
金の細工は、日記帳を覆うように、左端に百合の花を象って張り付いている。
「イリーア・ダシー・クレット」
小さく呪文を詠唱すると、金の細工はまるで意志を持った生き物のように動き、封印を解除する。
百合の花を形成していた一本一本が裂かれるようにして開花すると、一瞬で一本の栞のように平たく形度って、日記帳のあるページに挟まれる。
がゆっくりとそのページを開くと、見慣れた綺麗な文字が一瞬にして浮かび上がる。
細いけれど形が揃っている綺麗な筆記体の文字は、彼らしい青いインクで書かれていて、罫線も無いのに文字と文字の間が等間隔に空いていて非常に読みやすい。
『 Dear,
今日は君との合同授業が無くて、少し残念に思う。
けれど、君との合同授業があった日は、授業どころじゃなくなってしまうから、
たまにはこんな日があってもいいようにも思う。
明日は久しぶりにホズグミードへ行こうか?
君が行きたがっていた、あの店に。
来週誕生日だっただろう?
何時までも何が欲しいか決められないに、
私が勝手に選ぼうと思う。
それが嫌なら、明日着いて来る事だ。
いい夢を。
Good-Nights Loves,You
Severus Snape 』
読みながら、は幸せの溜息を零す。
顔はきっと、赤いに違いない。
気分を落ち着かせる為に、ハーブティーを飲んでみるが、高ぶった気持ちと嬉しさは拭いきれない。
幸せな表情を浮かべたまま、引き出しにしまってあったペンを取り出すと、インクをつける。
がなんと返事を出したかは、セブルスしか知らない。
の日記にはセブルスからのメッセージが、
セブルスの日記にはからのメッセージしか映らない。
それは一枚づつ枚数が増やされていき、もうじき日記帳が終わろうとしている。
けれど、この恋は終わらない。
始まったばかりなのだから。
次の日。
ホズグミードを寄り添って仲良く歩くセブルスとを見つけた者がいた。
それは誰だったか、言うまでも無いだろう…。
■ あとがき ■
15000HITのリク権を貰って下さった如月 遙様へ捧げますv
リクエスト内容は…
・学生セブルスと主人公。
…学生セブルス、難しすぎです(泣)!!
申し訳ありません(泣)気に入らなかったり、イメージと違ってたら教えて下さいませ。
書き直させて頂きます故。
詳細リクエストが無かったので、勝手に交換日記というテーマにしてしまいました(汗
初学生セブルス!!!!
いやはや、コメントしようもありません(汗
稀城彩歌はヘタレ街道まっしぐらですよ〜(大泣
学生セブルス、書ける様に頑張ります!!
1mmでも、セブルスっぽかったですか??ちょっとはマシでしょうか??
こんなドリームでも貰って頂けますでしょうか、如月さま!!
もっと、もっと精進させて頂きます!!
因みに、呪文は「シークレット・ダイアリー」の文字を入れ替えただけ…(爆
++++ このドリームは如月 遙様のみお持ち帰り可能です ++++
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