Strawberry






「 すっごーい!!
 これ、どうしたんですか??」






目を輝かせながら はテーブルの上の籠に入ったものに意識を奪われる。
籠の中には、真っ赤に熟れて大きく育った酷く美味しそうなイチゴが山積みにされている。
今の季節は真冬。
簡単に氷点下まで気温が下がるこの時期に、ホグワーツどころかイギリスでイチゴが獲れるのは奇跡に近い。
温栽培をしていたからと言っても、時期ハズレには違いなく、購入すれば、通常よりも遙に値が張るだろう。






「食べたい、と言っていなかったか?」






何時までもイチゴに目を奪われている を見て、ルシウスは微かに微笑んだ。
籠を手前に引き寄せて、食べるように促す。
すると、 は目を輝かせたままで、大きなイチゴを一つ掴むと”いただきますvv”と言いながら食べ始めた。






無言のまま、それでも瞳は輝きを失っていず、周りにキラキラとした輝きを放ちながら は黙々とイチゴを食べる。






先日、ルシウスの家に遊びに行き、 はイチゴが食べたい…と微かに漏らしていた。
時期ハズレでそう簡単には食べられないから、余計に食べたくなるのだ、と熱弁していたのを思い出してルシウスは今日の日の為に、何処からかイチゴを獲って 来た。
嬉しそうに、美味しそうにイチゴを頬張る を見て、”探した甲斐があった”と呟く。
勿論、ルシウス自身の心の中で。






「ルシウスはイチゴ嫌い?」






が食べるのを黙って見ているだけだったルシウスに、 はイチゴを一つ差し出す。
それは籠の中に入っていたどれよりも大きくて、どれよりも紅い。
見た目的にも非常に美味しそうである。
それでもルシウスは小さく首を横に振るだけだった。






「…甘くて美味しいのに。」






残念そうにそう言った は、そのイチゴを口の中に入れる。
一回噛むだけで、イチゴの甘さと薫りが口の中一杯に広がって、なんともいえない幸せ感に包まれる。
ニコニコ嬉しそうに微笑んだままで、もう1個食べようかとイチゴに手を伸ばし口に運ぼうとしたその瞬間…、
はルシウスぐいっと引き寄せられた。






「ん……、んんッ…」






引き寄せられて体勢がぐらついた隙を付いてルシウスは に口付けた。
初めは口付けるだけの優しいキス。
それが終いには、腰に手を回しての深いキスへと変わる。
ぺロリ、と唇を舌で撫で上げられると、そのまま誘うように の舌を探し出しては、逃げようとする舌を捕まえる。
優しく咥内を蹂躙して撫で上げてやれば、すぐさま は甘い吐息を漏らした。






「ふぁっ…ッ…」






息をするのがやっとな位の深い口付けをされ、ようやく唇を解放してもらえたのは、暫くたってからのことだった。






「 ルシウス!!
 折角の美味しいイチゴが床に落ちちゃったじゃん…(泣
 もしかしたら、これが1番甘くて美味しかったかも知れないのに…」






そう、ルシウスに突然口付けられた御陰で、 が咥えかけていたイチゴは綺麗に床に落ちてしまっていた。
心底残念そうに、そして厭味たっぷりにルシウスにそう言うと、手を伸ばして落ちたイチゴを拾う。
そして、そのままどうルシウスが言訳や弁解をするのかと期待に胸を膨らませていると…
ルシウスは悪びれた様子を見せるわけでもなく、普段と同じ雰囲気を作ったままで。
アイスブルーの瞳を少しだけ細めると、






「 安心しろ。
 お前より甘いイチゴなど無い。」






そう告げる。
そして、そのまま の首筋に唇を寄せた。






「ちょっ、ルシ…ウス…!」






の抗議の問いかけなど、お構い無しに、ルシウスはこれからの行為の障害になるであろう髪をさらりと指で梳く。
ようやく露になった白いうなじに口付ける。
チクリと微かに痛みが走るくらいに強く吸ってやれば、真っ白な肌に綺麗な紅い華が咲く。






「やはり、お前が1番甘くて美味い」






耳元でそう囁いたルシウスは更に白い肌に痕を刻んでゆく。
自分のものだ、という支配欲のもとで。
誰にも渡さぬ、と再度囁いて。






が残りのイチゴを直に食べられたかは……






誰も知らない。








■ あとがき ■



夕飯時にイチゴを食べていて、思いついた突発ドリームです(苦笑
なので、一切のツッコミ禁止!!
…は寂しいので、ほんのりはおっけーです。

殿下に…イチゴ食べさせてもらいたいなぁ…
今後書こうかなぁ。






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