wishing






貴方は今夜も私の傍に居る。
言葉は相変わらず冷たいけれど、抱き締めてくれるその腕はとても温かくて。
頭を撫でられて、髪を梳かれて、抱き締められて、口付けられれば…
私は貴方の温かさに泣き出しそうになる。
いつでも手を伸ばせば握り返してくれて、寂しいと泣けば何時までも傍に居てくれる。
そう…
貴方と居る時間は酷く短くて、でも凄い幸せで。
私はいつも錯覚してしまう。





この人は、私だけのものなんだ、と。





「どうした、






貴方が私に問い掛ける。
心配そうに顔を覗き込んで。
熱でもあるのか、と額に手を当てられれば、其処から貴方の温もりが伝わってくる。
たったそれだけでも、私には嬉しい出来事。






「熱は無いようだな。
 どうした?」






再び貴方が私に問う。
いえない。
言ってはいけない。
貴方を引き止める理由も権利も私には無いのだから。
貴方は、唯一、貴方が愛した女のところへ帰ってゆく。
それは仕方の無い事。
初めから、判りきっていた事。
それでも
それでもいいと、この関係を望んだのは私。
例え、一番目になれなかったとしても、貴方の傍に居れるなら。
貴方が傍に居てくれるなら。
貴方が愛してくれるなら…
それだけで良かった。






「…ルシウス…
 今日は何時に帰るの?」






なるべく、平常心を装って。
声も何時もよりも低めに、悟られないように。
行かないで、と言いそうな柔な口が勝手に喋りだす前に。
引きとめようとする私が貴方に嫌われないように。






「…今夜は帰らん」






ふっ…と笑ってルシウスは私を抱き締めた。
”お前の傍に居る”と耳元で囁いて。
嬉しさにこみ上げる涙を悟られないように、私はルシウスの首に腕を回してキスを強請った。
ルシウスは含み笑いを浮かべながら私に応えてくれる。






神様、もし居るのなら一つだけ願いを聞いて下さい。






一番になりたいなんて、言いません。
あの人を私だけのものにしたい、とも言いません。
あの人が私以外の女を選んだその時が来るまでは…
あの人が私の傍に居続けてくれる限りは…
あの人が私を愛していてくれる間は…






どうか、ルシウスが私の為に笑ってくれますように。








■ あとがき ■



やっぱりやってしまいました…殿下ドリーム。
しかも、微妙に悲恋っぽい(汗)
殿下とラブラブvは教授とラブラブvよりかもはるかに難しい!!
でも、稀城はめげません。
絶対次はラブラブ殿下ドリームを書いて、皆さんに砂吐いてもらいます(オイ)

殿下ドリ、やっぱり稀城には無理ですかね??
無理だ!と思った其処の貴女、是非稀城にお知らせを。
殿下にサヨナラをつげ、他サイトさんのROMへと直走ります!!






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