As soon as
それはいつも突然にやって来る。
全ての授業が終了して、大体30分が経過した辺り。
何の前触れもなく、彼女は我輩の部屋の扉を物凄い勢いで開けて、強盗のように押し入ってくる。
でもそれは、我輩にとっての日常的なことで有って、今さら大して驚く事もなかった。
…昨日までは。
「先生!!
子供が出来たんです!!」
我輩は不覚にも、口に含んでいたアールグレイを思いっきりカップの中に噴出してしまった。
息を切らせて、飛び込んできた愛しい恋人の第一声が ”子供が出来た” である。
大抵の男ならば、驚くに違いなく、我輩も決して例外ではない。
しかも、
我輩は未だ、純真無垢なこの少女に手すら出していないのだ。
「…で、誰の子かね?」
紅茶を気管に詰まらせ、むせ返る我輩の背中を ”大丈夫ですか??” と心配そうに
が摩る。
気を使ってくれるというのならば、初めから遣らないで頂きたいものである。
「………え?」
我輩の質問に、
は首を傾げる。
それは、 ”ヤバイ、浮気がばれた?!” というような焦りから来るものではなく、寧ろ… ”貴方は何を言っているの?” というような疑問形である。
最近、我が恋人ながらますます判らない。
「…相手が居なければ子供等出来ないであろう?
お前に種を植え付けたのは一体何処のどいつだ?」
自然と眉間に皺がよるのが自分でも判った。
声も何時もよりも低めに、且つ冷淡さを含めて言ったつもりだった。
しかし、返って来たのは意外な返事。
ケタケタと無邪気に笑いながら、何時もどおりに
は我輩の膝に座る。
「相手なんて、居ませんよ?
私が浮気するはず無いじゃないですかv」
「………は?」
今度は我輩が首を傾げる。
まさに、”お前は何を言っているのだ?” 状態。
無邪気に笑う
に何度めかの溜息が自然と洩れる。
相手もいずと、如何して子供が出来るというのだ。
「あ、順番すっ飛ばしてましたかね?
”子供が出来たらどうしますか?”って聞きたかったんですよv
どうしますか? と できたんです の違いですよv」
「…
、それは言葉の間違いでは済まされない位の重大なる間違いだと思うが?」
思わず頭を抱え込む。
授業での成績はすこぶるいいのだが…何処か抜けている。
しかも、結構な確率で必要とされる重要な部分が抜け落ちているのだ、
は。
「まぁ、いいじゃないですかv
それより先生、もし、子供が出来たらどうしますか?」
「…どうするか、とはどういう意味かね?
結婚するか、と聞いているのか?」
そう問うと、
は顔を真っ赤にして、俯きながら、それでもしっかりと我輩に向き直って、”結婚してくれますか?”と聞きなおした。
成る程、話が読める。
つまり、
は誰かに”好きな人との間に子供が出来たら結婚できる”と聞かされたのであろう。
大方、誰かは予想がつくが…。
要らぬ知恵を吹き込んだものだ。
「子供が出来たから、といって結婚するものではないであろう?
我輩は子供など要らん」
諭すように話すと、今度は
がぷうっと膨れる。
口より先に、見上げた目が、”何で?”と語る。
その仕草は本当に子供のように無邪気で、我輩は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
「子供など出来たら、子供に
をとられてしまうではないか。
お前は我輩だけのものだというのに」
言いながら、
の頭を軽く撫でてやる。
先ほどまで膨れていた
は、我輩の言葉に大きく目を見開くと、そのままにっこり笑ってから腕の中に顔を埋める。
それは、甘えた子猫のような仕草で、酷く可愛らしい。
「じゃあ、いつか私と結婚してくれますか?」
腕に顔を埋めたままで、それでも恥かしそうにおとしめに問う。
言われなくとも、誰がこんな可愛い恋人を手放したりするものか。
いつか出来るであろう…自分の子供にさえ今から嫉妬するくらいだというのに。
「”いつか”等と曖昧な未来ではなく…
、お前が大人になったらな…」
耳元でそっと囁いてやると、
はくすぐったそうに身体を攀じる。
その後、ぎゅうっと抱きついてきて、”約束だよ”と念を押す。
−我輩は今まで一度も約束を破った覚えなど無いが?−
髪を梳きながら応えてやると、
は我輩の腕の中で幸せそうに笑った。
決して離したりなど、するはず無いと新ためて自分に誓った瞬間だった。
「ところで、
。
どうやったら子供が出来るか…しっているかね?」
ニヤリと笑ったスネイプと目が合うなり
は慌てて首を横に振る。
あからさまに”知っている”といった雰囲気を醸し出して。
「そうか、では…我輩が特別に教えてやろう」
つまりは、否定しても肯定してもスネイプは事に運ぶつもりだったらしい。
膝の上でわたわたしている
を横抱きに抱えると、じたばたする
には一向に構わずに寝室へと足を進めた。
口は災いの元、である。
⇒続きは裏においてあります(爆笑)
■ あとがき ■
単なる甘々な話を書きたかったんですが、どうも途中でずっこけてますね(笑
私は必要以上に甘々にならない傾向にあるのでしょうか(汗
この話はテスト中の、暇な時間に考えていたものだったりします(爆笑
スネイプ先生の口から紅茶を零したい!!
という発想から生まれた代物だったりします。
サイト一ヶ月記念フリードリームです…が、もう配布終了なので読んで笑うだけにお願いします(笑)
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